施工する事で愛車の輝きや価値を守事ができるガラスコーティングですが、『なんとなく良さそう』『なんか傷つかなそう』といった感じで施工してしまう方が多いように感じます。
この記事ではガラスコーティングとはつまりどんなものなのか?
ガラスコーティングを施工するとどんなメリット、デメリットがあるの?DIYの施工で十分でしょ?
など、コーティングを検討する皆様が疑問に思うところを中心に掘り下げて行けたらと思います。
ガラスコーティングの施工を検討しているあなたのお力になれたら嬉しいです。
はじめに:ガラスコーティングってどんなもの??
ガラスコーティングの元となる液体を塗装の上に塗り込みと拭き取りを行うことで空気中の水分と酸素使って結合し固まることでガラス質の皮膜が形成され、汚れや傷から愛車を守ることができる画期的なコーティング剤です。
これまでのコーティング剤にはWAXやポリマーと呼ばれるものがありましたがどちらも固まらないので耐久性が数ヶ月以内と短かったのに対しガラスコーティングは3年から5年程度その機能を保つ事ができる画期的なコーティングとして2000年頃から普及し、セラミックコーティングに次ぐベーシックなコーティングとして今でもとても人気のコーティングです。
保護以外の性能として『艶』がありますが、ワックスの艶を『柔らかさ、潤い』と例えるならガラスコーティングはメリハリの効いた『反射』や『写り込み』の面で秀でているものが多い印象です。
成分としては二酸化珪素(シリカガラス)というものが主成分で、構造としては水晶などと近い多面体で構成されたこうせいされた透明度の高い物質を主成分としていて熱に強く、とても硬いことが特徴です。
このような頑丈なコーティング皮膜によって、汚れや傷から愛車を守ることができるというわけです。
ここからは、あなたが実際にガラスコーティングを施工することでどんなメリットを得られるのかについて解説していきましょう。
ガラスコーティングで得られる6つのメリット
ガラスコーティングを施工するとこんなメリットが得られます。
- 車が汚れにくくなり洗車の頻度を減らす事ができる。
- 汚れが落ちやすくなり、洗車時間を短縮できる。
- 洗車でコーティングが落ちないので長期間効果が続く。
- 洗車傷がつきにくくなり美しさを保つ事ができる。
- 紫外線や汚れによる塗装劣化から塗装を守る事ができる。
- 車を売却する際の査定額が相場よりも高くなる。
とても魅力的なメリットがたくさんありましたね。ではそれぞれのメリットを少し掘り下げていきましょう。
1. 車のボディーが汚れにくくなる
車が汚れにくくなるというのはとても嬉しいメリットの一つです。
洗車が好きで時間にも余裕がある方ならこの効果にさほどメリットは感じないかもしれませんが、平日は仕事が忙しく、休日は家族との時間や趣味の時間に充てたいとしたら車が汚れにくくなるというのはとても嬉しいメリット。
何より車がいつも輝いているというのはせっかく高いお金を支払って購入した愛車の価値を十分に味わうことにも繋がり、周囲からの印象も より良いものになるかもしれませんね♪
汚れにくいということは車の見た目だけでなく、ボディにとって悪い影響を及ぼす虫の死骸・花粉・鉄粉・黄砂からのダメージを軽減することになり、安心にも繋がります。
2. 汚れが落とし易く、洗車時間を短縮できる。
汚れにくさと関連する機能としてガラスコーティングには、汚れを落とし易くするという機能も併せ持っています。虫などがカリカリに乾燥している状態ならコーティングをしていない状態とさほど変わらないかもしれませんが、いざ洗車を始めてみると、洗っている洗車スポンジやクロスが引っかかりなく、少ない抵抗で滑る様な感覚が味わえます。
カーシャンプーで柔らかくなった汚れが泡に包み込まれ、浮いた様な状態になってスーッと落ちていくような感覚があればそれがガラスコーティング特有の汚れ落ちを向上させる機能です。
汚れが落ちやすければそれだけ洗車時間も短くなりますし、洗車で使う体力も奪われずに済みます。何より固着した汚れをゴシゴシと擦らずに落とし易くなるのでボディーに傷をつけてしまうリスクが減り、汚れが落ちずにイライラすることも減ると思います。
3. 洗車ではコーティングが剥がれないので効果が続く。
カーワックスやポリマーコーティングの効果が数週間から数日であるのに対してガラスコーティングの持続性期間が3年~5年と長いのは、繰り返し洗車を行っても基本的に剥がれ落ちる事がないというのは大きな要因と言えます。
先にもお伝えした様に、塗装の上に硬化したガラス皮膜が形成され、塗装と完全に密着しているので粗悪なガラスコーティングや雑な下地作りを行わなければ、ガムテープを貼って引き剥がそうとしても剥がれることはありません(もし興味があって実験する場合は自己責任でお願いしますね)
よく勘違いされている様なのですが、『剥がれない』=『効果が続く』ということではありません。というのも、剥がれなかったとしても、傷む、荒れる、傷つくということは起こり得ます。コーティングを施工していない車と比べたら少なく済むとしてもやはり少しづつ傷むのは『魔法』ではなく『物質』である以上避けられません。
考え方を変えると、洋服『コーティング』が傷んでくれたおかげで素肌『塗装』が守られているとも考えられます。レザージャケットのように、とても丈夫な洋服なら洋服なら、より強力に素肌を守ってくれるし、洋服そのものも長持ちします。
それがガラスコーティングやセラミックコーティングの特徴でもあります。さらに長持ちさせるならケアにも気を配りましょう。定期的な洗車を心がけ、傷をつけにくい洗車用品を選び丁寧に洗車をしたり、定期的にディープクリーニング(細部洗浄や鉄粉、水垢除去)を行うことで本来のコーティングの性能を存分に発揮させ長持ちさせる事ができます。
※研磨剤入りの洗剤やブラシを使った洗車、機械洗車、鉄粉除ねんどなどは傷をつける代表格なので避けた方が良いでしょう。
4. 洗車傷がつきにくくなり、美しさを保つ事ができる。
汚れた車を洗っていると気がつかないうちに洗車傷は増えていくものです。当店のお客様の中にも、『私は洗車機は使わないので洗車傷はありません』とおっしゃる方が一定の割合でいらっしゃいます。
しかし実際には無数の微細な傷がたくさんついてしまっているものです。驚くべきは納車したてのド新車であっても洗車傷がある事。新車といえども何度か洗車されているケースが多く、洗車機を使われることもしばしば。傷がついていて当然と言えば当然かと思います。
ただ、その事がお大きな問題として取り上げられることが少ないことを考えると多くのカーオーナーにとっては取るに足らない問題なのかもしれません。
このようにたった数回の洗車で傷がついてしまうほどデリケートな塗装面。ガラスコーティング、セラミックコーティングで強化してこれ以上傷を増やさない為の対策をとっておくことで車の価値と美しさをより長い間楽しむ為の強力な助けになってくれるでしょう。
どの程度の傷を防げるのかを説明することはとてもシビアで難しいので一概にいうことはできませんが、よく勘違いされる、金属のスレ、洗車機による傷などから完全に防ぐことはできません。
過信せず軽減されると考えておくほうが良いでしょう。
5. 紫外線、汚れによる塗装劣化から保護できる。
紫外線は人間の肌だけでなく自動車のボディーを劣化させる要因になることはあなたも効いた事があるかもしれませんが、紫外線によるダメージは色によってダメージの大きさが異なることは一般にあまり知られていないかもしれません。
紫外線は赤、黄系の色を退色させ、劣化が進むと塗装の表面(クリアー層)は剥離を起こし、パラパラと剥がれ落ちます。クリアー層の無い、1コートソリッドと呼ばれる仕様の塗装の場合には剥離を起こすことは少ない代わりに、赤色は褪色しピンクへ、オレンジ色なら色素が抜けた薄ーいオレンジへ変化したりします。
街中で注意して車を見ているとツートンカラーだと思った車が実は部分退色して塗り分けのようになっているなんてこともあるので探してみてくださいね。
6. 車を売却する際の査定額が相場よりも高くなりやすい。
同じ年式、同じ距離を走っている同じ車種の車なら売却の際の査定金額に大きな差が出ないというのが一般的な考え方ではないでしょうか。
事実、ピカピカに輝く車と今ひとつ輝きのない車の双方をオークションに出品した場合、落札価格に大きな差が出ないことが多い様です。
しかし、条件が変わると結果が大きく変わる事があります。当店のお客様がホンダシャトルからヴェゼルに乗り換える時に下取りに出したところ、相場よりも20万円近く高く買い取ってもらう事ができました。
普通なら買取金額に20万円も差がつくことはないのですが、Sさんが下取りに出したシャトルはガラスコーティングを施工し、その後のケアも定期的に行っていたのでとても状態が良く、査定員から、とても状態が良いのでオークションに流さずに店頭に置いておいたらすぐに売れるからその値段で下取らせて欲しいと申し出があった為、高額買取が成立したとお話いただきました。
コーティングをしておけば必ず高額査定がつくとは言い切れませんが、条件が揃えば今回のように嬉しい結果につながることもある様です。
ガラスコーティングのデメリット3選
このように本当に沢山のメリットがあるガラスコーティングですが、デメリットになる可能性のあることもいくつかお伝えしたいと思います。施工を迷っている方は判断材料にしてみてくださいね。
1. DIYコーティングが簡単にできない
ガラスコーティングを自分で施工する場合、失敗のリスクを含んでいることも知っておく必要があります。
はじめに施工についてですが、実はガラスコーティングを自分で施工する事そのものは高度な技術を必要としないものが大半です。但し、耐久性、光沢、均質な皮膜造り、高い密着、その後のメンテナンス性や再施工性などを高いレベルに持っていくことを目的にするなら深い知識と経験、研磨技術や下地処理技術、数日の作業期間と安定した施工環境が必要になることは言うまでもありません。
車の運転は免許を取れば誰でもできますが誰でもF1ドライバーになれるかと言えば難しいのと同じように、DIYで最高のクオリティへ持っていくことはかなり難しいと考えて良いでしょう。
2. 専門店に依頼すると費用がかかる
DIYガラスコーティングのリスクを避けるためには、専門店など業者に依頼する方が安心ではあります。お車のコンディションや大きさ、コーティングの種類などで費用は異なりますが、目安としては7万円〜10万円が新車からの施工では多い価格帯かと思います。
費用対効果や補償、アフターサービスなどを加味すれば高くないと考える方も多いですが、単純に金額だけを見ればやはりDIYでコーティングをすることからすると高額に感じられる方も多いでしょう。
3. 自分で施工するにはまとまった時間が必要
ガラスコーティングを自分で施工しようとすると膨大な工程を自分一人で行わなくてはならず、屋外で施工する場合は天候や気温にも配慮しなくてはならないなど、沢山の障壁があります。
大まかな工程として、『ボディの洗浄』→『細部の洗浄』→『ミネラル分、油分の除去』→『ケミカル成分を残さないためのすすぎ洗浄』→『マスキング』→『下処理研磨』→『洗浄』→『全体及び細部の水切り』→『マスキング』→『コーティング剤の塗布』→『コーティング剤の拭き取り』→『塗りムラ、拭きムラの確認』→『乾燥、硬化』→『仕上げ』のような流れになります。
これらの作業はいくらでも手を抜ける部分でもありますし、いくらでも時間をかけられる部分でもあります。一般の方なら作業で丸1日+一晩乾燥で終わらせる事が多いと思いますが、専門店の場合は、内容によって異なるものの、2日〜4日程が一般的かと思います。
ガラスコーティングの乾燥については初期硬化で12時間程度〜数週間かけて規定の強度に達し、安定した状態になるものが多いようです。
専門店ではえん初期乾燥の後に赤外線ヒーターなどを用い、安定した状態で納車するショップもあるので参考にしてみると良いかと思います。
ガラスコーティングのメリットはデメリットに勝る?
ガラスコーティングのメリットまとめ
- 車が汚れにくくなり洗車の頻度を減らす事ができる。
- 汚れが落ちやすくなり、洗車時間を短縮できる。
- 洗車でコーティングが落ちないので長期間効果が続く。
- 洗車傷がつきにくくなり美しさを保つ事ができる。
- 紫外線や汚れによる塗装劣化から塗装を守る事ができる。
- 車を売却する際の査定額が相場よりも高くなる。
ガラスコーティングのデメリットまとめ
- DIYコーティングが簡単にできない
- 専門店に依頼すると費用がかかる
- 自分で施工するにはまとまった時間が必要
あなたにぴったりの施工スタイルとは?
ガラスコーティングを施工する時に、大きく2つの選択肢があることをここまででお伝えしてきました。
1つ目は失敗や時間的なリスクはあるものの、自分で施工する楽しさを優先するという選択。
もう一つは、一定以上の品質や補償、アフターサービスを受け取る対価として費用を支払うという選択でした。
あなたがガラスコーティングを施工するときのヒントとして活用していただく事ができたら嬉しいです^ ^最後まで読んでいただいてありがとうございます!